デザイン・ブランディング

AIで作ったサイトは、なぜ「きれい」なのに印象に残らないのか

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最近は、AIを使えば誰でも簡単に文章を作ったり、画像を生成したり、ロゴのアイデアを出したり、ウェブサイトの構成を考えたりできるようになりました。


デザイナーとして正直に言うと、この変化を見て「これからデザインの仕事はどう変わっていくのだろう」と考えることがあります。


特に今は、スタートアップや中小企業でも、AIツールやテンプレートを使えば、短時間でそれなりに整ったウェブサイトを作ることができます。予算が限られている中で、できるだけ自分たちで進めたいと思うのはとても自然なことです。


そして実際に、AIを使って作られたサイトの中には、最初に見た印象ではきれいに見えるものも多くあります。


レイアウトが整っている。
色もまとまっている。
文章もそれらしく見える。
写真やイメージも雰囲気がある。


一見すると、「これで十分かもしれない」と感じることもあると思います。


でも、少し時間が経つと、なぜか印象に残らない。
どこかで見たことがあるように感じる。
きれいだけれど、その会社らしさが伝わってこない。


そんなウェブサイトも少なくありません。


それは、AIが悪いという意味ではありません。むしろAIは、とても便利で強力なツールです。アイデアを広げたり、作業を早くしたり、最初のたたき台を作ったりする上では、大きな助けになります。


ただ、AIが作れるものと、人の心に残るものの間には、まだ大きな違いがあると感じます。


その違いのひとつが、「アイデア」と「ストーリー」です。


良いデザインは、ただ見た目がきれいなだけではありません。そこには必ず、何を伝えたいのか、誰に届けたいのか、どんな印象を残したいのかという考えがあります。


つまり、デザインの前に「なぜこの形にするのか」という理由があります。


たとえば、同じカフェのウェブサイトでも、「おしゃれなカフェ」として見せるのか、「地域の人が安心して集まれる場所」として見せるのか、「海外から来た人にも入りやすい場所」として見せるのかで、デザインはまったく変わります。


同じサービスでも、伝えたいストーリーが変われば、写真の選び方、色、言葉のトーン、ページの流れ、ボタンの置き方まで変わります。


だからこそ、デザインにはアイデアが必要です。


アイデアがないまま見た目だけを整えると、確かにきれいには見えるかもしれません。でも、そこに理由や感情がなければ、人の記憶には残りにくくなります。


人が覚えているのは、単に「きれいだった」ということだけではありません。


そこにどんな雰囲気があったか。
どんな気持ちになったか。
何を大切にしている会社だと感じたか。
自分に関係があると思えたか。


そうした感覚のほうが、長く残ります。


特にウェブサイトは、多くの場合、お客様がその会社を初めて知る場所です。初めて訪れた人は、会社の歴史や実績をまだ詳しく知りません。だからこそ、サイトを開いた瞬間に感じる印象がとても大切です。


この会社は信頼できそうか。
自分のことを理解してくれそうか。
サービスの内容が分かりやすいか。
問い合わせてみたいと思えるか。


こうした判断は、文章だけでなく、デザイン全体から自然に生まれます。


そして、海外のお客様に向けたウェブサイトでは、この「伝わり方」がさらに重要になります。


日本国内では自然に見える表現や構成でも、海外のユーザーには少し分かりにくかったり、情報が足りないと感じられたりすることがあります。逆に、日本らしさや会社の個性を上手に見せることで、海外の人にとって魅力的に感じられることもあります。


大切なのは、ただ翻訳することではありません。


その会社が持っている価値や雰囲気を、相手に伝わる形に変えることです。


ここでも、ストーリーが大切になります。


なぜこの事業をしているのか。
どんな人に届けたいのか。
どんな経験をしてほしいのか。
他の会社と何が違うのか。


こうした部分が整理されていると、ウェブサイトはただの情報ページではなくなります。見る人にとって、その会社を理解するための入口になります。


AIは、きれいな文章や画像を作ることができます。
でも、その会社の背景にある想いや、人の温度感までは、自動的には作れません。


創業者の考え。
サービスに込めた想い。
お客様に届けたい体験。
ブランドが持つ空気感。


こうしたものを見つけ、整理し、形にしていくことが、人間のデザインの役割だと思います。


もちろん、すべてのサイトに大きな予算や複雑なブランド戦略が必要なわけではありません。スタートアップや小さな会社にとっては、まず現実的に始めることも大切です。


でも、たとえ小さなサイトでも、「何を伝えたいのか」「どんな印象を残したいのか」を考えるだけで、伝わり方は大きく変わります。


ただサービス内容を並べるのではなく、なぜそのサービスが必要なのかを伝える。
ただ会社情報を書くのではなく、どんな人がどんな想いで運営しているのかを見せる。
ただきれいに見せるのではなく、見る人が安心できる流れを作る。


それだけで、ウェブサイトはもっと人間らしくなります。


そして、人間らしさがあるサイトは、記憶に残ります。


完璧である必要はありません。
派手である必要もありません。
でも、そこに考えがあり、想いがあり、ストーリーがあると、人は自然とそのブランドを覚えます。


AIの時代だからこそ、これから多くのウェブサイトは見た目だけならどんどんきれいになっていくと思います。だからこそ、「きれい」の先に何があるのかが大切になります。


そのデザインには、理由があるのか。
その言葉には、その会社らしさがあるのか。
そのサイトを見た人は、何を感じるのか。
そして、覚えてもらえるのか。


Bridgeway Studioでは、ただ見た目を整えるだけではなく、そのビジネスらしさが伝わるウェブサイトを作りたいと考えています。


AIやテンプレートを否定するのではなく、それらを上手に活用しながらも、最後に人の心に残る部分を大切にしたい。


デザインは、情報を並べることではありません。
きれいな画面を作ることだけでもありません。


アイデアを形にすること。
ストーリーを伝えること。
人に感情を残すこと。


そして、まだその会社を知らない人に「ここなら信頼できそう」と感じてもらうこと。


AIで多くのものが簡単に作れる時代になったからこそ、本当に大切なのは、その奥にある人間らしさなのだと思います。


きれいなサイトは、目に入ります。
でも、ストーリーのあるサイトは、心に残ります。

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