ローカライゼーション基礎
ウェブサイトの翻訳を依頼する前に知っておきたい3つのこと
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「まず翻訳してみて、反応を見てから考えます」
こういうご相談をいただくことが、時々あります。気持ちはよくわかります。翻訳することで何かが変わるかもしれない、という期待は自然なことです。
ただ、正直にお伝えすると——準備なしに翻訳を進めると、あとから「こんなはずじゃなかった」という状況になりやすいのも事実です。
これはクライアントの責任でも、翻訳者の責任でもなく、多くの場合「順番の問題」です。翻訳の前に整理しておくべきことが、意外と多くある。
1. 「誰に向けた」サイトかを決める
翻訳を依頼する前に、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。英語にするとして、それは誰のためですか?
アメリカの個人消費者なのか、ヨーロッパの法人バイヤーなのか、東南アジアの観光客なのか——対象によって、使う言葉も、強調すべき情報も、ページ構成すら変わってきます。
「とりあえず英語に」という発想でスタートすると、誰にも刺さらない文章ができあがることがあります。翻訳の前に、ターゲットを絞ること。これが第一歩です。
2. 日本語の原文が「翻訳に耐えられる」状態かを確認する
これはあまり言われないことなのですが、日本語の原文の質が翻訳の仕上がりに直接影響します。
主語が省略されていたり、文章が長くなりすぎていたり、専門用語と一般語が混在していたり——日本語として自然でも、英語に変換しようとすると途端に難しくなる文章があります。
そういった文章を無理に翻訳すると、原文の曖昧さをそのまま引き継いだ英語ができあがります。翻訳者も困りますし、読む側も困ります。
依頼前に、日本語原文を一度「翻訳しやすい文章か」という目で見直してみることをおすすめします。
3. サイトの構成が、海外ユーザーの動線に合っているか
これは盲点になりやすいポイントです。
日本語サイトの構成をそのまま英語化しても、海外ユーザーが「自然に使えるサイト」になるとは限りません。
例えば、日本のウェブサイトでよく見かける「会社概要→事業内容→お問い合わせ」という流れ。これは日本人には馴染みがありますが、海外ユーザーは「このサービスが自分に何をもたらすか」を最初のページで知りたいと思う傾向があります。
翻訳を依頼する前に、ページ構成や導線が海外ユーザーの期待に合っているかを確認する。場合によっては、構成を一部変えてから翻訳に入る方が、結果としてコストも品質も良くなることがあります。
少し厳しいことを書いてしまったかもしれません。でも、こういったことを事前にお伝えするのも、私たちの仕事だと思っています。
翻訳は手段であって、目的ではありません。「海外からの問い合わせを増やしたい」「外国人顧客に信頼してもらいたい」——そういった目的があるなら、翻訳だけでなく、その前後の設計も一緒に考えることが大切です。
何から始めればいいかわからない、という方は、まずご相談だけでも構いません。

