ローカライゼーション基礎

日本のウェブサイトが海外で信頼されにくい、意外な理由

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あるプロジェクトで、こんな経験をしたことがあります。

クライアントの企業は、しっかりした英語サイトを持っていました。翻訳の質も悪くない。デザインも清潔感がある。それでも、海外からの問い合わせはほとんど来ていませんでした。

「何が問題なんだろう」と思いながら、外国人の知人に率直に聞いてみたのです。サイトを見てもらって、どう感じるか、と。

返ってきた言葉は、意外なものでした。「なんとなく、怖い感じがする」。

信頼の「見せ方」は文化によって違う

日本では、誠実さは「控えめさ」で表現されることが多いように思います。過度な主張をせず、余白をもたせ、必要以上に自己アピールしない。そういったトーンが、信頼感を生むことがある。

でも、多くの海外市場ではそれが逆に働きます。

会社概要ページに顔写真がない。代表者の名前が出てこない。実績はあっても、それが誰によって達成されたのかが見えない——こういった状態が、外国人の目には「匿名性の高い会社」に映ることがあるのです。

悪意があるというわけではありません。ただ、「本当に実在する会社なのかどうか、確認できない」という感覚が生まれてしまう。

情報の「多さ」が不安を生むこともある

もうひとつ、気づいたことがあります。

日本のウェブサイトは、情報量が多い傾向があります。これは決して悪いことではなく、「詳しく説明することが誠意だ」という考え方が背景にあると思います。

ただ、英語圏や欧州のユーザーは、特に初めて訪れたサイトで大量のテキストに直面すると、「何を伝えたいのかわからない」と感じてしまうことがある。スキャンして読む文化と、読み込む文化の違いと言ってもいいかもしれません。

「信頼」をどう見せるか、設計し直す

では、何をすればいいのか。

まず、会社の「顔」を出すことです。代表者やチームメンバーの写真と名前、簡単なプロフィール。これだけで、外国人ユーザーが感じる心理的なハードルがかなり下がります。

次に、実績の見せ方を変えること。「〇〇件の納品実績」という数字よりも、「どんな企業の、どんな課題を、どのように解決したか」を短く語る方が、はるかに説得力を持ちます。

そして、ページの「目的」を絞ること。一つのページで伝えることは、できれば一つか二つに。それ以外は別ページに誘導する構成にすることで、ユーザーが迷わず次の行動を取れるようになります。

こういったことは、「翻訳」の話ではありません。どちらかというと、「相手の目線で設計し直す」という作業に近い。

それがローカライゼーションの本質だと、私たちは考えています。

サイトはあるのに問い合わせが来ない——そんな状況が続いているなら、言葉の前に、構造と見せ方を一度見直してみることをおすすめします。

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